結論:2025年度から、扶養する子どもが3人以上の多子世帯は、所得制限なく大学などの授業料・入学金の減免を受けられる制度があります。ただし「大学の費用がすべて無料」になる制度ではありません。対象校、学業要件、扶養状況の判定、学校での申請が必要で、減免額には国が定める上限があります。
この記事では、2026年10月時点で公表されている文部科学省・日本学生支援機構(JASSO)の情報をもとに、対象条件、上限額、申込みの流れ、家計で準備したい費用を整理します。実際に支援を受けられるかは、進学年度と世帯状況により異なるため、申請前に公式情報と進学先の案内を確認してください。

多子世帯向けの授業料等減免はどんな制度?
高等教育の修学支援新制度の一部として、2025年度から多子世帯の学生に対する授業料・入学金の減免が拡充されました。文部科学省は、所得制限なく国が定める一定額まで減免すると案内しています。対象となるのは、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校のうち、制度の対象として確認を受けた学校です。
この制度は、学校が請求する費用を無条件に全額免除するものではありません。学校種別や国公立・私立などによって上限が異なり、上限を超える学費、施設設備費、教材費、通学費、住居費などは別途必要になることがあります。制度対象校であることや学業要件を満たすことも必要です。
| 確認する点 | 制度の基本 | 家計での見方 |
|---|---|---|
| 所得制限 | 多子世帯の授業料等減免は所得制限なしと案内 | 所得以外の要件や資産基準も確認 |
| 支援内容 | 授業料・入学金を定められた上限まで減免 | 上限を超える学費や生活費は別に準備 |
| 対象校 | 国等の確認を受けた対象機関 | 志望校・学部・課程ごとに確認 |
| 手続き | JASSOの審査、進学先での手続きが関係 | 募集時期と学費納付期限を早めに確認 |
「子どもが3人いる」だけで自動的に対象とは限らない
JASSOの2026年4月更新FAQでは、多子世帯の判定にあたり、申込時に入力した生計維持者の扶養親族のうち子どもに該当する人数と、生計維持者全員の市町村民税情報上の扶養親族数を確認し、いずれか少ない方が3人以上であること、さらに申込者本人が生計維持者に扶養されていることが示されています。配偶者は税情報上の扶養親族数に含まれません。
つまり、家族の住民票上の子どもの人数だけで対象かどうかを決めつけることはできません。税情報の基準日、申込画面に入力する人数、本人の扶養状況が判定に関係します。2026年度以降は学生世代の特定親族の扱いなど、判定に関する追加の案内もあります。きょうだいの年齢や所得状況が関係しそうな場合は、最新のJASSO FAQを確認し、学校の奨学金窓口にも相談しましょう。
また、多子世帯に該当しても、学業要件や資産要件、対象校要件などを満たす必要があります。支援は申し込んだ人全員に自動適用されるものではありません。進学前の予約採用や進学後の在学採用など、利用する制度の申込時期を逃さないようにしてください。

減免額には上限があり、学校の請求額との差額が残る
支援額は学校区分ごとに上限が設けられています。JASSOの案内では、大学の授業料・入学金について、国公立と私立で異なる上限額が示されています。下表は制度の上限額の目安であり、各学校の実際の納付額や減免額を保証するものではありません。制度改正や入学年度によって更新される可能性があるため、必ず最新の募集要項で確認してください。
| 大学の区分 | 入学金の上限額(目安) | 年間授業料の上限額(目安) |
|---|---|---|
| 国公立大学 | 約28万円 | 約54万円 |
| 私立大学 | 約26万円 | 約70万円 |
たとえば、授業料が上限を超える場合、その差額は家庭で負担することがあります。授業料以外にも、施設設備費、実習費、教材費、パソコン代、通学定期代、下宿費などが必要です。入学金の減免が適用される時期や納付方法は学校によって案内が異なるため、合格後に慌てないよう、進学前に学校の学生支援窓口へ問い合わせておくと安心です。
申込みから支援を受けるまでの流れ
- 対象校を調べる:文部科学省の対象機関一覧で、志望する学校が対象か確認します。
- 申込時期を確認する:高校在学中の予約採用、進学後の在学採用など、学校の案内に従って準備します。
- 家族・税情報を整理する:生計維持者、扶養する子どもの人数、住民税情報など必要事項を確認します。
- JASSOへ申し込む:申込画面への入力や必要書類の提出を期限までに行います。
- 結果を確認し、進学先でも手続きする:採用後も、授業料減免に関する学校側の手続きや在籍報告が必要になる場合があります。
予約採用に申し込んだ場合でも、入学金などの納付期限より前に支援が反映されるとは限りません。結果通知の時期、入学手続き金の納付期限、減免の反映方法をそれぞれ学校に確認し、支援が確定する前に必要となる現金を別に見積もりましょう。

授業料以外に準備したい大学進学費用
大学進学の資金計画では、制度で減免される授業料・入学金と、それ以外の支出を分けて考えます。受験料や交通・宿泊費、入学時の納付金、学用品、引越し費用、毎月の生活費は、それぞれ支払う時期が異なります。自宅通学か一人暮らしか、学部に実習や実験があるかでも総額は変わります。
支援制度を見込む場合は、家計計画に「制度が適用された場合」と「審査結果が想定と異なった場合」の二つのケースを用意すると、必要な予備資金が分かりやすくなります。授業料減免を前提にして、入学金や生活費まで足りると思い込まないことが大切です。大学進学までの費用や複数のお子さんの進路を整理するには、教育費・家計シミュレーターで時期ごとの支出を試算できます。
よくある質問
多子世帯なら大学の費用はすべて無料ですか?
いいえ。授業料・入学金を国が定める上限まで減免する制度です。上限を超える授業料や施設費、生活費などが残る場合があります。
所得制限がなくても、誰でも利用できますか?
所得制限がない授業料等減免の枠がありますが、扶養人数の判定、本人の扶養状況、対象校、学業要件、申込手続きなどの条件があります。JASSOの審査結果と学校の案内を確認してください。
申請すれば入学金の支払いを待ってもらえますか?
納付期限の扱いは学校ごとに異なります。支援の審査中でも納付が必要な場合があるため、合格後ではなく、出願・進学前に大学の窓口へ確認してください。
まとめ:制度の上限と申請時期を確認して資金計画へ
多子世帯向けの大学授業料等減免は、所得制限なく上限額まで支援を受けられる可能性がある制度です。一方で、対象判定は税情報や申込内容に基づき、対象校・学業要件・申請手続きがあり、授業料以外の費用も残ります。志望校の納付期限とJASSOの最新情報を確かめ、支援を受けられる場合と受けられない場合の両方で必要資金を見積もりましょう。
出典・確認日
情報確認日:2026年10月11日。支援要件・上限額・申込方法は更新されることがあります。申請前に公式情報と進学先の最新案内をご確認ください。