FAMILY MONEY & EDUCATIONこどもNISA・家族のお金ラボ
トップ › 教育費・進路
教育費・進路

教育費は毎月いくら準備する?必要な時期から積立額を考える

公開:2026年10月11日 更新:2026年10月11日
この記事で分かること
教育費の積立額は、必要時期・目標額・準備済み資金から考えます。習い事や進路、複数の子どもの支出も含め、月々の準備額を整理する手順を紹介します。

「教育費は毎月いくら積み立てればいいの?」と考えたとき、最初に答えの金額を探したくなるかもしれません。ただ、子どもの年齢や進路、習い事、いま用意できている資金によって必要な準備額は変わります。全国平均の金額をそのまま家計に当てはめるより、いつ・何に・いくら必要になりそうかを分けて、家庭の数字に置き換えることが出発点です。

この記事では、教育費の統計の読み方、必要額から月々の準備額を出す方法、複数の子どもがいる家庭での考え方を整理します。投資を使うかどうかも、教育費を使う時期と家計の余力を踏まえて検討します。

先に結論:月額は「必要額・準備済み資金・残り期間」で考える

準備額の基本式はシンプルです。

毎月の準備額の目安 =(目標額 − すでに教育費として確保している金額)÷ 準備できる月数

これは運用益を見込まない単純計算です。まずこの額を出すと、「毎月の家計で無理なく続けられるか」「目標や進路の前提を見直す必要があるか」を考えやすくなります。将来の運用成果を入れる場合は別シナリオとして計算し、基本の積立額と混ぜないようにしましょう。

教育費の必要額と準備済み資金を家族で確認するイメージ
最初は、必要額からすでに確保した資金を引いて考えます。

平均額は家計の答えではなく、見落としを探す材料

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」は、幼稚園から高校までの学校教育費、給食費、塾や習い事などの学校外活動費を含む学習費を調べたものです。2026年1月に一部数値が訂正されているため、過去の記事や古い資料を参照するときは更新日にも注意が必要です。公立か私立かによって負担が大きく違い、同じ学校区分でも塾や習い事、通学方法などで家庭差があります。

大学段階では、授業料だけでなく、通学・住居・食費などの学生生活費も確認したいところです。日本学生支援機構(JASSO)の学生生活調査では、大学生の収入と支出、通学形態などが調べられています。自宅通学と自宅外通学では生活費の構成が変わるため、授業料だけを目標額にすると不足が起きる可能性があります。

統計は「うちもこの金額になる」という予測ではありません。家庭の計画を始めるための目安として使い、学校種別、進路、居住形態など、自分の家庭に関係する条件を選び直しましょう。

進学時期に合わせた教育費準備の流れを表すイラスト
統計の平均値をそのまま使わず、進学する年と必要な費目に分けます。

家庭の月額を出すための4ステップ

1. 教育費を使う時期と費目を並べる

まず、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学などの段階を横に並べ、費目を書き出します。毎年かかる授業料や教材費、給食費と、進学時にまとまって発生する受験料、入学金、パソコン、制服、引っ越し費用などは分けてください。塾、スポーツ、英会話、ダンスなどの習い事も、始める年齢、月謝、用具代、続ける年数を入力します。

文部科学省の学習費調査に含まれる学校外活動費と、家計簿から拾った塾・習い事費を二重に足さないようにすることも大切です。統計の内訳を使うのか、実際の予定額を使うのか、どちらかを軸にして整理しましょう。

2. 進路が決まっていない部分は複数のケースを置く

進路を今決められなくても問題ありません。たとえば「高校まで公立、大学は自宅通学」「高校まで公立、大学は自宅外通学」「中学または高校から私立」など、現実的なケースを2〜3個作ります。希望を一つに固定するのではなく、差が大きくなる条件を知るための比較です。

留学や受験の選択肢も、行くことが決まっていない段階では必須支出にせず、「希望した場合」の別枠にします。予定額を置く際は、渡航先、期間、学校、為替などで変わることをメモし、確定費用のように扱わないようにします。

3. 今ある教育資金を確認する

預貯金、すでに支払った保険料の将来受取額、親のNISAや子ども名義の資産などを確認します。ただし、生活防衛資金や近い将来に使う予定の生活費まで教育資金として数えるのは避けましょう。投資資産は価格が上下するため、現在の評価額が必要な時期に同額で使えるとは限りません。評価額と、必要時期までに使える見込み額を区別しておくと計画が現実的になります。

4. 残りの期間で割り、家計に照らす

仮に8年後に必要な資金として、現在の準備額を差し引いた残りが240万円なら、運用を考えない単純計算は240万円÷96か月で月2万5,000円です。これは説明用の例で、特定の家庭への推奨額ではありません。ボーナスから年にいくら追加するか、毎月の積立をいくらにするかに分けてもかまいません。

月額が家計の余力を超える場合は、借入や投資をすぐ増やすのではなく、目標の費目、進路ケース、準備期間、すでにある資金を見直します。習い事の数や費用の置き方を調整する、毎年の臨時収入を一部回す、奨学金や授業料支援制度を調べるなど、複数の方法を並べてください。

積立額を一つに決めず、3つのシナリオを比べる

シナリオ 置き方 確認すること
基本ケース 統計と家庭の予定を使って標準的な進路を置く 毎月の準備額が家計で続けられるか
費用が増えるケース 私立進学、自宅外通学、習い事や留学などを加える 支出が重なる年と不足額
準備を抑えるケース 今ある資金や支援制度を確認し、家計で可能な額を置く 何を優先し、何を別途検討するか

運用を加える場合は、値上がりを前提にせず、運用なし・控えめな想定・異なる値動きのケースを並べます。利回りは保証されません。結果画面では「想定条件」と「元本割れを含む可能性」を目立つ場所に示し、将来の金額を確定額のように見せないことが大切です。

複数の教育費準備シナリオを家族が比較するイラスト
複数のケースを並べると、目標のどの部分が家計に影響するか見えます。

子どもが複数いる場合は「合計額」と「年ごとの山」を見る

子どもが2人、3人いる家庭では、各人の教育費総額を単純に合計するだけでは不十分です。進学時期が重なる年に、入学金や受験費用、授業料、下宿費用が同時に必要になることがあります。子どもごとの年齢、進路、習い事の希望を分けて入力したうえで、年ごとの支出を合算し、「どの年にいくら必要か」を確認しましょう。

たとえば、上の子が大学入学、下の子が高校入学の年は、別々に考えると見えにくい支出の重なりが表面化します。大学の進学先や居住形態が決まる前なら、確定した予定と仮定の予定を見分けられるようにします。3人の希望を同じ条件にそろえる必要はなく、個々の進路に合わせて入力できます。

また、上の子の教育費を優先しすぎて、下の子の準備が後回しになっていないか、家計全体で見直す機会にもなります。必要な資金を早い時期に可視化し、年1回など定期的に進路や積立額を更新することが、複数人の計画では役立ちます。

預貯金・保険・NISAは目的と時期を分けて比較する

預貯金は価格変動を避けたい短期資金に使いやすい一方、物価上昇で実質的な購買力が下がる可能性があります。学資保険は契約内容によって保障や受取時期が定まり、途中解約では払込保険料を下回る場合があります。NISAを通じた投資は運用益が非課税になる制度ですが、投資商品の価格は変動し、元本割れの可能性があります。制度上の非課税メリットと、投資そのもののリスクは分けて考えてください。

教育費を準備する方法に一つの正解はありません。使う予定が近いお金、支出時期が決まっているお金、長い期間使わない余裕資金では、優先したい条件が違います。比較するときは、必要時期、換金のしやすさ、値動き、保障の有無、費用や手数料、家計の負担を同じ表に並べましょう。

毎月の積立額を決めたら、数か月に一度、家計が苦しくなっていないかを確認します。収入や住居費、習い事、進路の希望が変わったら、金額を調整して構いません。積立の減額や一時停止は失敗ではなく、生活を守りながら長く続けるための調整です。

教育費の積立額を決めるときのチェックリスト

  • 必要な費用を、毎年の支出と進学時のまとまった支出に分けた
  • 学校教育費だけでなく、塾・習い事・スポーツも家庭の予定に合わせて入れた
  • 統計に含まれる費用と家計の実額を二重に計上していない
  • 進路が未定の部分を複数シナリオにし、確定情報と仮定を分けた
  • 生活防衛資金を教育費に混ぜず、投資資産の値下がりリスクを認識した
  • 兄弟姉妹の支出が重なる年を確認した
  • 家計で続けられる金額か、定期的に見直す予定を立てた

教育費の月額は、平均額を見て決めるものではなく、家庭の希望と家計に合わせて調整するものです。まずは運用益を見込まない計算で不足額を出し、そこから現金、保険、NISA、奨学金や公的支援を比べると、選択肢を整理しやすくなります。

出典・確認日

情報確認日:2026年10月11日。教育費の統計、制度、金融商品の条件は更新されるため、実際の準備では出典元の最新情報をご確認ください。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の金融・税務上の助言や特定商品の推奨ではありません。投資には元本割れのリスクがあります。

家族の数字で月々の準備額を確認する

必要な教育費や子どもの年齢、習い事の希望を整理したら、教育費・家計シミュレーターに入力して、年ごとの支出と毎月の準備額を確認できます。進路や費用を変えながら、家計に無理のないケースを比べてみてください。

あわせて読みたい

記事一覧を見る