先に結論:こどもNISAで積み立てた資産は、大学費用の一部を準備する選択肢になります。ただし、投資なので元本割れの可能性があり、必要な時期に値下がりしていることもあります。教育費の全額を投資に任せるのではなく、支払時期が近いお金は預貯金で確保し、長期間使わない範囲を積立投資に回す考え方が基本です。
この記事では、2027年から始まる未成年者向けNISAの制度概要を金融庁の案内で確認し、月5,000円・1万円を積み立てた場合の金額を、運用益なしと年率3%の仮定で比較します。試算は将来の成果を予測・保証するものではありません。積立額を決めるときの目安として、家計や進学時期に合わせて読み替えてください。

こどもNISAの制度概要を確認
2026年度税制改正で、NISAのつみたて投資枠の対象年齢が広がり、2027年から0歳から17歳までの子どもも利用できる制度が設けられました。金融庁の説明では、子どもが17歳までの年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託で、一般の銀行預金のように元本が保証される仕組みではありません。
制度上の非課税枠を使い切る必要はありません。月5万円を続けると年間60万円となるため、月5,000円や1万円は枠の一部を使う設定です。家計に余裕のない月まで投資を優先せず、教育費、生活防衛資金、住宅費、親自身の老後資金とのバランスを先に見てください。
| 制度の項目 | 2027年からの子ども向け枠 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 0〜17歳 | 口座開設や年齢判定の詳細は金融機関の案内を確認 |
| 年間投資枠 | 60万円 | 月換算では最大5万円。ただし満額投資が必須ではない |
| 非課税保有限度額 | 600万円 | 評価額ではなく買付額の枠として制度詳細を確認 |
| 投資対象 | つみたて投資枠対象の一定の投資信託 | 価格変動があり、元本割れの可能性がある |
月5,000円・1万円を積み立てた場合の試算
次の表は、毎月末に一定額を積み立て、運用益なし(年率0%)または年率3%で運用できたと仮定した場合の概算です。年率3%は計算例であり、金融商品の利回りの予測値や保証ではありません。実際は値動き、信託報酬などの費用、積み立てる時期、税制や制度変更で結果が異なります。
| 積立期間 | 月額 | 投資元本(年率0%) | 年率3%の仮定 |
|---|---|---|---|
| 18年 | 5,000円 | 108万円 | 約143万円 |
| 18年 | 10,000円 | 216万円 | 約286万円 |
| 12年 | 5,000円 | 72万円 | 約87万円 |
| 12年 | 10,000円 | 144万円 | 約174万円 |
複利を含む概算で、年率は月次換算し、毎月末に積み立てる前提です。手数料・インフレ・税制の詳細を反映していないため、端数を丸めています。年率0%の列は、投資成果が積立元本を下回る状況を確認するための比較基準です。年率3%でも、運用期間中に評価額が上下することや、必要な時期に元本割れとなる可能性は残ります。
同じ月額でも、積立期間が長ければ元本は増えます。一方で、運用期間が長いことだけで、必ず利益が出るわけではありません。高校・大学の入学金など、支払日が決まっている費用は「その日に必要な金額」を預貯金で確保できているかを別に確認します。

教育費と投資資金を分ける3つの考え方
1. 近い時期に使うお金を預貯金で確保
数年以内に支払う予定の受験費用、入学金、授業料などは、値下がりしたタイミングで売却せざるを得ない状況を避けたい資金です。まず年間の支出予定を見積もり、生活費や教育費の予備資金として預貯金で確保します。どれくらいを現金で持つかに一律の正解はありません。家計の収入の安定度、他の貯蓄、必要支出を見ながら家庭ごとに決めます。
2. 使う時期まで長い資金で積立を検討
大学進学まで時間があり、値下がりしてもすぐに売却する必要がない資金は、積立投資を検討できる場合があります。投資信託は、商品によって投資対象や値動き、費用が異なります。仕組みを理解し、複数の地域・資産に分ける商品か、運用管理費用(信託報酬)がどれくらいか、金融庁や販売会社の説明資料で確認してください。
3. 親の資産形成や家計の余力も含める
子ども名義の口座を優先して、親の緊急予備資金や老後準備が不足すると、将来、家計全体の負担が大きくなる可能性があります。教育費を準備する方法は、預貯金、保険、奨学金、教育ローン、投資など複数あります。それぞれ使える時期、値動き、返済の有無が異なるので、単独の制度だけで考えず、家族全体の収支から組み合わせを検討します。

こどもNISAの資産は途中で引き出せる?
金融庁の制度説明では、一定の条件のもと、子どもが12歳以降であれば払出しが可能とされています。資金は子どものために使うこと、子どもの同意を示す書面とともに、親権者など口座管理者が金融機関に申し出ることなどが条件として説明されています。したがって、親の都合で自由にいつでも引き出せる預金とは異なります。
大学の入学金など、子どものための支出に備える場合でも、売却の申出や金融機関での手続き、商品の換金にかかる日数を確認してください。相場が下落している時期に売却すると、積み立てた金額を下回る可能性があります。使う予定が近づいたら、必要時期と金額に合わせてリスク資産を少しずつ現金化する方法も検討できますが、具体的な手続きや条件は制度開始後の金融機関の最新案内を確認しましょう。
積立額を決めるための家計チェックリスト
- 毎月の収支を確認し、赤字やリボ払いなど高金利の負債がないか見る。
- 急な病気や収入減に備える預貯金を確保できているか確認する。
- 受験・入学など今後5年程度に予定される大きな支出を洗い出す。
- 親自身の老後資金や住宅ローンなど、家族の長期的な支出も並べる。
- 相場が一時的に下がった場合にも、積立を続けられる月額を選ぶ。
- 制度の条件や投資商品の費用・リスクを公式資料で確認してから申し込む。
迷ったときは、最初から上限いっぱいに設定せず、無理のない金額から家計の変化に応じて見直す方法があります。積立の中断や金額変更の条件、金融機関の取扱いは事前に確認してください。
よくある質問
月5,000円でもこどもNISAを利用する意味はありますか?
少額でも積立を始めることで、家計に無理のない範囲や値動きの受け止め方を考えるきっかけになります。ただし、投資するか、いくら積み立てるかは、生活費と近い教育費を確保した上で判断しましょう。
年率3%なら大学費用を準備できますか?
年率3%の試算は仮定で、将来の運用成果を保証しません。実際の収益は不確実です。必要な学費全額を投資で用意できると決めつけず、制度や預貯金など別の準備方法も検討してください。
18歳になると口座はどうなりますか?
金融庁の案内では、18歳到達時に成人向けのつみたて投資枠へ移行する仕組みが説明されています。移行時点の取扱い、枠の管理、金融機関で必要な確認は最新の公式案内をご覧ください。
まとめ:積立額は「教育費全体」と「使う時期」から決める
こどもNISAの月5,000円・1万円の積立試算は、教育費準備の選択肢を考える材料になります。ただし、年率3%は例示であり、元本割れや必要時期の値下がりも起こり得ます。直近で使う教育費や生活予備費を確保した上で、長期で運用できる金額を検討しましょう。複数の子どもの進路や習い事を含めた必要額は、教育費・家計シミュレーターで試算できます。制度の詳細は記事一覧のNISA関連記事もあわせてご覧ください。
出典・確認日
情報確認日:2026年10月11日。将来の運用成果を示すものではありません。制度・取扱いは変更される場合があるため、口座開設前に金融庁と金融機関の最新案内をご確認ください。